このブログでは初めてのユーロビートの話題
1日1記事チャレンジ、14日目。今日は私がこよなく愛する音楽ジャンル、ユーロビートについて語りたいと思います。
今回は「音楽ジャンルとしてのユーロビートの定義とは?」「ユーロビートらしさって何だ?」といった話題から入り、昨今の「自称ユーロビート」「ユーロビート"もどき"」な楽曲について「流石にそれはユーロビートと呼べないのでは?」というところまで踏み込んで話したいと思います。
1記事にまとまらないくらい話が長くなりそうなので、多分前編/後編に分かれると思います。
ユーロビートの定義とは
これが中々難しい話でして、まず「100%これが正解」というものは無いと思っています。100人居れば100通りの定義があるのは仕方ないと考えています。
とはいえ、多くの人が共通して「これはユーロビートっぽい!」と感じる要素がいくつかあると思うので、わかりやすいところから紹介していきます。
①32拍のシンセリフ
これがユーロビートらしい要素として一番わかりやすいものだと思います。例として「EUROBEAT / DR.LOVE」のリフ部分を用意しました。4拍×8小節で32拍、これが基本的なユーロビートのリフになります。
リードシンセをブラス系の音色で目立たせることが多く、そこに裏拍や和音でさらにシンセを重ねたり、曲によってはギターやピアノなどでさらに厚みを出します。
こちらは主にユーロビート向けのブラス音源だけをひたすら聞き比べる動画です。
多くのユーロビートがブラス系の音を中心にリフを組み立てますが、時にはギターやベル系の音色がメインとなることもあります。例えば「QUEEN OF MEAN / THE SNAKE」のリフ。
このように必ずしもブラス系にこだわる必要はありません。というか「EUROBEAT=ゴリゴリシンセリード」という世間一般のイメージが強すぎる気がします。
②オクターブ差で動くベース
シンプルで分かりやすい例として、Odyssey Eurobeat の「Eurobeat Beginners' Pack (2014)」からベースのサンプルを聴いてみましょう。
オクターブ差で上下に動くベースが無いと、一気にユーロビートっぽい雰囲気が薄くなります。実際に残念な例も挙げようとしたのですが、ここで晒すのは流石にかわいそうなので割愛。
③シンプルな4つ打ちキック
こちらも Odyssey Eurobeat の「Eurobeat Beginners' Pack (2014)」から、Drum Loop 3のサンプルを聴いてみましょう。
いわゆる「ドッチードッチー」とか「ツッチーツッチー」などの擬音で表現されることが多い、4つ打ちらしいリバーブの少ないシンプルなキック、スネア、ハイハットに加えて、このサンプルではクラップも入ってノリノリな感じになっています。基本的にハイハットは表拍でクローズ、裏拍でオープンを鳴らします。
④アルペジオ
これが無いと一気にサウンドがしょぼくなります……。ある程度耳が肥えてないと、意識して耳を傾けない限りアルペジオだけを聴きとることは少し難しいのですが、これが有るか無いか、ちゃんと作りこまれてるかで印象がガラッと変わります。
例として「DON'T BREAK ME DOWN / AXEL.K」のリフ部分のアルペジオの一部のみを聴いてみましょう。
どうでしょうか。正直分かりにくいと思います。ですが、これはリフのみではなく曲全体を通して曲の厚みを決める非常に重要な存在です。
⑤曲構成
ユーロビートはぶっちゃけ様式美です。
イントロ32小節 → リフ8小節 → Aメロ8小節 → Bメロ8小節 → サビ16小節 → そして再びリフ8小節に戻ります。この長さはもはやある種のお約束ですので、よほど自信がない限り崩さない方が良いです。自由に遊べるのはイントロの32小節くらいでしょうか。
上記の構成をカチカチに守っている曲の例として「EASY / LOLITA」を紹介します。
逆に例外を挙げるとしたら「LOVELINE / F.C.F.」とかでしょうか。イントロ32小節 → リフ8小節 → Aメロ①8小節 → Bメロ①8小節 → Aメロ②8小節 → Bメロ②8小節 → サビ16小節 → リフ8小節 → …… と、通常のユーロビートの曲構成ではめったに見かけない2回目のAメロ&Bメロが展開されるのが特徴です。
あとは東方ユーロビートの「SYMPATHY TAKE ME TO DARKNESS / 3L」も特殊な曲構成です。イントロ32小節 → リフ16小節 → Aメロ8小節 → Bメロ8小節 → Cメロ8小節 → サビ16小節 → リフ16小節 → …… と、リフが倍の16小節&Cメロ8小節は珍しいパターンです。
あと古めの曲だと、リフやサビの最後に+αで1~2小節足されてたりすることも多いですね。
今日だけじゃ全然解説しきれなかった
冒頭でも説明した通り、まずは「音楽ジャンルとしてのユーロビートの定義について」と「ユーロビートをユーロビートたらしめるもの」について解説してから、昨今増えてきた「ユーロビートとは呼び難い曲が増えてきた」ことについてお話ししたかったのですが、全然尺が足りませんでいた。
ユーロビートの定義としてはほかにも「ボーカルがあること」「歌詞は全体的にシンプルでキャッチーであること(特にサビ頭(orサビ終)に曲名を歌詞にすること)」「1回目のサビが終わった後に必ず同一リフを再提示すること」等々、まだまだ紹介しきれていない要素があるのですが、それについてはまた明日説明したいと思います。
ということで今日はここまで。また明日!